今年の夏の暑さを気象庁のデータで分析してみよう

はじめに

今年の夏は記録的な暑さで、ニュースでも話題になりました。

しかし、どれくらい暑かったのか?は客観的にわかりづらかったのではないかと思います。

そこで、気象庁のデータを使って分析してみました。

やり方も簡単に説明しますので、実際にいじってみて、地元ではどうだったか?や、気になる場所ではどうだったか?を調べてみると新たな発見もでてくるかと思いますので、ぜひ試してみてください。

 

1. 気温データを取得してみよう

日本は、気象庁のアメダスという観測システムにより、気温の観測網が整えられてます。この気温データは、気象庁のサイトより無料でダウンロードすることができます。

では、実際に気温データを取得してみましょう。

まず、気象庁のサイトに行き「各種データ・資料」をクリックします。

ここでは、いろいろな気象のデータを調べることができます。今回は「過去の地点気象データ・ダウンロード」をクリックしてください。

ここから地点のデータを取得できます。

今回は、ニュースでもよく取り上げられている東京のデータを取得します。

まず、地点を選びます。地図上で東京をクリックしてください。

次に「項目を選ぶ」をクリックし、「日別値」で、「平年値も表示」「日最高気温」を選択します。

次に「期間を選ぶ」をクリックし、期間を指定します。今回は「特定の期間を複数年分、表示する」を選択して、6月1日から9月30日の値を、2020年から2023年までとしました。

最後に「表示オプションを選ぶ」ですが、こちらは異常値などをどう表示するかになります。今回はお好みで大丈夫かと思いますが、加工のしやすさを考えて異常値などは格納しないようにしました。

これで準備が整いました。「CSVファイルをダウンロード」ボタンをクリックすると「data.csv」というファイルがダウンロードフォルダにダウンロードできているかと思います。

 

2. いろいろな気温について

気温データも取得できたので、早速いじって・・・としたいのですが、まずは、気温について簡単に説明します。

今回取得したのは最高気温となります。これは読んで字の如く、その日で最も高かった気温となります。

では、夏によく聞く、真夏日や猛暑日についてはどうでしょう?

こちらも正式な定義があります。

真夏日は、最高気温が30度以上となった日を言います。29.9度は真夏日ではありません。

猛暑日は、最高気温が35度以上となった日を言います。34.9度は猛暑日でないが真夏日です。

ちなみに、40度以上を酷暑日と定義しようという動きもあったりします。温暖化が進めば酷暑日がニュースになる日もあるかもしれません。

平年値は、30年分の平均値です。基準は10年単位で変わるので、今年の暑さが平年値に反映されるのは2031年からとなる見込みです。

これを踏まえてデータを加工して分析していきます。

 

3. データをいじってみよう

それでは、取得した気象データをいじってみましょう。

分析の方法はいろいろとありますが、今回はエクセルを使った簡単な分析を行います。

取得した段階では、年月日に対応する最高気温と平年値が設定されています。

これを少し加工して、下図のように年ごとに列を分けて、月日ごとのデータにします。

このデータに対してグラフを作成します。

データのある範囲を選択して、「挿入」タブの「折れ線グラフ」をクリックしてください。

このグラフに対し、気温の範囲を15度〜40度にし、グラフタイトルをつけたのが下図となります。

このグラフをみて気づくのは、2023年は平年より低い日が少なく、特に7月と8月は1日もありませんでした。9月は、平年値では1日しかない30度以上の真夏日も多く、他の年と比較しても突出して暑い9月で、気象庁が統計開始以降で1番暑い9月と発表したのも頷けます。

全体的にここ3年の気温も平年値より高い日が多く、最近の夏は暑くなってきていることがわかります。

2021年は比較的気温が低い日が多かったですが、東京オリンピックの期間だった7月23日〜8月8日だけをみてみると平年より高い日が多く、本来の開催年であった2020年では平年より低かった日が多かったことがわかります。もし、コロナによる延期がなければ、オリンピックで猛暑の話題はなかったかもしれません。

このように、グラフでみてみると気づく点もあるので、数字だけみるだけでなく、グラフ化してみるのもデータ分析をする上では重要です。

 

4. 真夏日、猛暑日を比較してみる

真夏日は最高気温が30度以上、猛暑日は最高気温が35度以上です。

これをエクセルのCOUNTIF関数で求めます。

この結果をグラフ化してみます。

こうしてみると、2023年がいかに暑かったのかがよくわかります。

2022年でも猛暑日日数は過去最高だったのですが、その記録をさらに6日も更新しています。

真夏日も平年の2倍近くになってます。

 

5. 他の地域と比較してみる

同じように奥多摩の小河内と比較してみました。

奥多摩は、平年値だと3度くらい東京より低い気温となってます。

気温の傾向は概ね同じですが、東京より奥多摩の方が低くなってます。

今年は、奥多摩の気温も高かったため、平年値で比べると、東京の平年値の方が近くなってます。

真夏日と猛暑日で比較すると、さらに顕著に暑さがわかります。

奥多摩は、平年値だと真夏日は0日なのに、今年は58日もあり、東京の平年値の46日よりも多くなってます。さらに猛暑日も2日ありました。

こうしてみると、今年の奥多摩は、平年の東京より暑かったと言えるのでないでしょうか。

 

さいごに

このブログ記事では、今年の夏の暑さについて、データの取得から簡単な分析を通して解説しました。

今年の夏は、ニュースでも猛暑が話題になっていましたが、実際に手を動かして、グラフで見てみると、いかに暑かったかがわかるかと思います。

今回は最高気温のみに着目しましたが、アメダスだけでも最低気温や平均気温、湿度や降水量なども取得できますし、気象庁のサイトから予測の情報や天気図、気象画像などさまざまな情報を取得することができるので、いろいろと試してみるのも面白いと思います。

また、気象は日常の行動にも密接に関わっており、気温や天気によって混雑する施設や、売上が大きく変わる商品もあります。

気象データは、今回紹介したアメダスの気温データだけでなく、大量にあります。これらを売上のデータなどと関連付けることで、売上の予測精度を上げることもできます。

弊社は、気象予報士や中小企業診断士、データ分析のスペシャリストもおり、気象の情報を考慮した分析も行えます。

貴社の売上データをご提供いただければ、気象データと組み合わせて分析させていただくことも可能です。
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