ポストコロナを見据えたデータ分析とは?(前編)

ウィズコロナの時代と言われ、早や3年。2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。今後マスクの着用などの感染対策は個人の判断が基本となり、私達を取り巻く環境もまた新たな局面に入ろうとしています。個人の判断と言われても、すぐにマスクを外そうとはならないかも知れません。しかし、ポストコロナの時代がいよいよ近づいてきたという期待感が出てきました。
そのような中、データ分析についても、「そろそろポストコロナの時代を見据えた考え方が必要なのでは?」と考え、今回の記事を書かせていただきました。

 

ウィズコロナと言われる今の世の中がいつまで続くのかは不透明ですが、過去のデータを紐解くと先を見通す視点が備わります。例えば、コロナ禍に入ってからの感染者数を1日ごとにカウントし、それをグラフ化したものが下図です。この図は厚生労働省が発表しているデータ資料を、NHKがまとめてグラフにしたものです。このグラフに、さらに第何波かの表示と各波のピークを結んだ破線を入れて加工してみました。

 

さて、このグラフから何が見えてくるでしょうか?

(出典:日本放送協会、厚生労働省の資料を一部加工)

 

上記グラフを確認すると、第1波から第7波までは、各波のピークがいずれも前の波のピークを超えていました。ところが、昨年から今年初めにかけて拡大した第8波の感染者数のピークは、初めて前の波である第7波のピーク(2022年8月)を若干ですが下回ったのです。これは、今まで無かったことです。上記グラフの青色破線を見ると、第7波から第8波にかけて曲線が緩やかに下降傾向に入るカーブを描いています。青色破線をひとつの大きな波に見立てると、この流れからは「第7波を頂点とした大きな山型のグラフが今後描かれるのでは?」と推測したくなります。もちろん、そんな単純な話ではないと思いますが、もし第9波のピークが第8波のピークをさらに下回るようなことになれば、その期待は結構高まります。そうなると、いよいよポストコロナの輪郭が見えてきますね。

 

以上はあくまで仮定の話ですが、「後から考えれば第7波の2022年8月がピークだった」と言える日が来るかも知れません。ビジネスは、現状を把握した上で将来を予測し仮説を立てることが基本と言われます。その際に活用できるのは、やはり蓄積されたデータ情報です。データが蓄積されていれば、将来の予測や仮説の立案も精度を高めることが可能です。
では、これまでデータを蓄積してこなかった場合は、どうすれば良いのでしょうか?実は、今こそがデータの蓄積を開始する絶好の機会なのです。現在のような社会環境の転換期は、これから新たに事業を開始したり、コロナ禍で休業した事業を再開しようと考えておられる事業者様が多いかと思います。つまり、新規顧客を獲得するフェイズ(局面)です。このフェイズで、しっかりとデータを取得できていれば、今後新規顧客をリピーター化(継続顧客化)できているかどうかを検証することや、再利用を促すアプローチも仕掛けることが可能となります。

 

新規顧客獲得のフェイズでデータを取得しておくと、次の顧客育成化~優良化のフェイズで大きな効果を発揮します。データ分析を始める時にありがちなのが、「手元に適切なデータが無くこれから集めなければならないため、すぐには分析が開始できない」という事態です。今回のブログで最もお伝えしたかったことは、今から1年後、2年後を見据えて、適切なデータを取得しておくことが重要ということです。今なら決して遅くはありません。ポストコロナを見据え、今やるべきことを準備しておきたいですね。

※次回「後編」では、具体的なデータ分析手法についてお話しいたします。

 

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